一般皮膚科について
当院では一般皮膚科の診療も行っており、様々な症状や疾患に対応しています。日焼け・やけど・かぶれ・虫刺されといった日常的な症状から、にきび・アトピー性皮膚炎・じんましん・いぼ・水いぼ・たこ・うおのめ・巻き爪・陥入爪・水虫・たむし・帯状疱疹、口唇ヘルペス・乾癬・粉瘤・皮下腫瘍など気になることがありましたら、気軽にご相談ください。
主な皮膚疾患・皮膚症状
日焼け
日光に含まれる紫外線を浴びて、皮膚に赤みや熱感、水疱などの症状を起こしている状態です。軽いやけどによって皮膚表面が損傷を受けている状態であり、患部を十分に冷やすことである程度症状を緩和できます。悪化させずに症状を抑えるために、早めにご相談ください。
治療
赤みや腫れがある場合、ステロイド薬、抗アレルギー薬、消炎鎮痛薬などから必要な処方を行います。また、光アレルギーである光線過敏症が疑われる場合には、ご希望があれば検査も可能です。
やけど
高温の物質が皮膚に触れることで起こる外傷で、熱傷と呼ばれることもあります。高温によるやけど以外にも40~55℃程度のものが長時間接触していることによって生じる低温やけどもあります。低温やけどは見た目が赤み程度でも皮膚の奥深くまで深刻なダメージを受けている可能性があり注意が必要です。
やけどの応急処置
すぐに冷やしてください。流水で冷やし、保冷剤を当ててできるだけ早く受診してください。
やけどの分類
1度熱傷
やけどした部分が赤くなりますが、水ぶくれはできず、傷跡も残りません。
2度熱傷
赤み、水疱、潰瘍などを生じます。軽い場合も色素沈着がしばらく残り、重ければ深い傷が残ります。
3度熱傷
やけどを負った大部分が壊死しており、皮膚移植が必要な状態です。連携している高度医療機関にご紹介します。
やけどの治療
1度熱傷
十分に冷やし、外用薬による治療を行います。
2度熱傷
外用薬や内服薬による治療を行います。ほとんどの場合は数日の治療で十分ですが、重度の場合には数週間から数か月の治療が必要になります。
3度熱傷
皮膚移植などの外科手術が必要であり、速やかに連携している高度医療機関にご紹介します。
かぶれ
原因物質が皮膚に触れることで、湿疹・炎症・かゆみ・赤みなどの症状を起こしている状態です。植物、虫、おむつや下着、ヘアカラーや化粧品、洗剤、薬など、原因は多岐に渡ります。
治療
炎症をできるだけ短期間に抑えるためにステロイド外用薬を使用し、症状が強い場合には抗アレルギー薬の投与も行います。なお、原因物質の完全排除が最も効果的な対策となりますので、繰り返す場合や症状が長引いている場合には血液検査やパッチテストなどで原因を探ることが重要となります。
虫刺され
刺された部分にかゆみ、痛み、腫れ、水ぶくれ、しこり、赤み、色素沈着などの症状を起こします。強いかゆみを伴うことも多く、掻き壊して細菌に感染し、広範囲に広がってしまったり、皮膚がかたくなったりすることもあります。特にお子さまは免疫力が低いことから、症状が悪化しやすい傾向があります。かゆみは大きなストレスになりますので、強い症状がある場合にはできるだけ早くご相談ください。
にきび
にきびはお子さまから成人まで幅広い年齢の方に生じます。重症化させてしまうと長くにきび跡が残ってしまいますので、早めの治療をお勧めしています。当院では進行や状態、肌質、ご希望に合わせた治療を行っておりますので、気軽にご相談ください。
アトピー性皮膚炎
強いかゆみを伴う湿疹が改善と悪化を繰り返しながら慢性的に続く皮膚疾患です。皮膚のバリア機能が低下して悪化しやすいことから、状態に合わせた治療をしっかり行い、状態が改善してからも保湿ケアを続けていくことが重要です。当院では、皮膚の状態や重症度を見極めた上で適切な治療を行い、保湿のためのスキンケアの指導も丁寧に行っています。
じんましん(蕁麻疹)
かゆみやチクチクした痛みを伴うみみず腫れが突然現れ、時間が経過すると跡形もなく症状が消えます。こうした症状が1ヶ月以内に治まる急性じんましんと、それ以上続く慢性じんましんに分けられます。自然に治まることが多いですが、かゆみや痛みの症状が強く出るケースでは掻き壊して感染や皮膚のバリア機能低下を起こしやすいので、抗ヒスタミン内服薬や外用薬による治療が有効です。
飲食物・薬・細菌感染、汗、ストレスなど原因は様々ですが、アレルギー症状として起きている場合には検査でアレルゲンを調べ、アレルゲンに触れないようにすることが重要になります。
いぼ・水いぼ
いぼは、皮膚に生じる突起の総称で、ウイルス性のものから加齢性のものまで様々な種類に分けられます。尋常性疣贅はパピローマウイルスが、水いぼは伝染性軟属腫ウイルスが原因となっています。加齢性のいぼでは脂漏性角化症があります。当院では原因や状態に合わせて塗り薬、内服薬などによる治療を行っています。
たこ・うおのめ
足の同じ部位に強い圧力がかかり続けて発症します。どちらも皮膚が分厚くなりますが、うおのめの場合は中心に硬い芯があり、歩行によって強い痛みを生じます。
削り処置や柔らかくするシールを貼るなどの治療を行います。
巻き爪・陥入爪
爪の左右両端が皮膚に深く食い込んでいる状態が巻き爪で、陥入爪では爪の左右の皮下に炎症・化膿を生じています。主な原因は、深爪、合っていない靴などとされています。感染、炎症や化膿、肉芽形成などにより、歩行が困難になるほど強い痛みが生じることもあります。巻き爪・陥入爪でお悩みがありましたら、早めにご相談ください。
水虫・たむし
白癬菌という真菌(カビ)が原因となって生じる感染症です。足に感染すると水虫になり、他の部分に感染するとたむしと呼ばれます。陰部に感染した場合は「いんきんたむし」と呼ばれることもあります。銭湯やジム、プールなどで感染することがあり、作業靴やブーツなど蒸れやすい靴も感染リスクが高くなります。
診断・治療
足指表皮や爪の一部を採取して顕微鏡で観察し、白癬菌を確認して水虫・たむしと診断されます。抗真菌薬の内服による治療を続け、定期的な検査を行って治るまでしっかり治療を続けることが重要です。症状がなくなったからと自己判断で治療を中断したり、市販薬を使用したりすると、完全に治りきらずに再発を繰り返し、状態が悪化しやすくなります。また、身近な方にうつしてしまうリスクも高くなります。もしかしたらと思ったら、気軽にご相談ください。
帯状疱疹
潜伏している水ぼうそうウイルスが、疲労や風邪、ストレスなどによって免疫力が低下した際に活性化し、帯状疱疹を発症します。年末年始など冬季の発症が多い傾向があり、季節の変わり目や繁忙期も発症リスクが高くなります。深刻な合併症や強い神経痛を残さないために、早期に適切な治療を受けることが特に重要な病気です。
主な症状
最初にピリピリした痛みや内側からの鈍痛が起こります。その後、痛みが起きた場所に発疹や水ぶくれが生じ、痛みが増します。皮膚症状が治ってからも強い痛みが長期間続く帯状疱疹後神経痛を起こすことがあり、眠れないほど強い痛みが生じるケースもあります。症状は身体のどこにでも出る可能性がありますが、ほとんどの場合は左右の片側のみに現れます。顔に帯状疱疹が生じると、顔面神経麻痺・耳鳴り・難聴・めまいなどの症状を起こすこともあります。失明や脳炎などにつながるケースもあります。
治療
できるだけ早く受診し、抗ウイルス薬の内服薬を1週間服用してウイルスの増殖を抑えることで、帯状疱疹後神経痛や合併症の発症リスクを下げることが重要です。症状により、痛み止め、神経痛を緩和する内服薬、塗り薬を処方します。
口唇ヘルペス
ヒトヘルペスウイルス1型の感染によって生じます。ほとんどの場合は幼少期に感染したウイルスが潜伏し、免疫力が低下した際に再活性化して症状を起こしています。風邪や疲労、睡眠不足、時差などで免疫力が低下した際に発症しやすく、口唇以外に、鼻や目の周囲に症状を起こすことがあります。主な症状は、ピリピリした痛みや違和感が生じ、その後水疱ができ、それが破れて潰瘍となります。抗ウイルス薬の内服や外用が行われ、5日間の内服で比較的速く症状を軽減できるとされています。短期間に繰り返す場合には、PIT療法や漢方薬併用なども可能です。
乾癬(かんせん)
身体の様々な場所に痛みやかゆみを伴う赤い腫れが生じ、分厚いかさぶたができ、かさぶたがフケのようになってはがれ落ちるという症状を起こします。腫れやかさぶたの大きさやサイズ、できる場所は一定していません。遺伝やストレス、肥満、感染症などの要因が関与して発症するとされていますが、乾癬自体は感染する病気ではありません。
粉瘤・皮下腫瘍
皮膚下に袋状の組織ができている状態です。粉瘤の場合、袋の中には皮脂や老廃物がたまり、炎症を起こすことがあります。粉瘤は良性腫瘍ですが、自然治癒せず、放置していると大きくなって炎症を起こす可能性があります。炎症を起こすと化膿して大きく腫れ、強い痛みを起こします。皮膚下のしこりやできもの、炎症がありましたら、早めにご相談ください。